50代でセミリタイアしたキャリコンのはなし

50代でセミリタイアし自由な働き方を選びました

キャリコン日誌1 「好きなことを仕事にすべきなの?」

タイトルで「キャリコンのはなし」と謳っているので、「キャリコン日誌」として、カウンセリングなどの際に感じたことを記してみようと思います。

 

私が働いているのは(といっても毎日ではないのですが)、職業訓練校です。あまり馴染みのない方もおられると思いますが、職業訓練校とは失業した際に次の職業へ円滑に移行できるよう、新たなスキルを得るために通う学校のことです。失業保険の給付申請を行うと、案内されたりするので、それきっかけに申請される方も多くいらっしゃいます。自己都合退職の場合、給付制限期間といって、2~3か月の間、失業保険の給付がなされません。しかし、訓練校に通うことで「就労意欲が強い」とみなされ、この期間が撤廃され、7日間の待期期間以降、給付されるようになります。よって、給付を早めたいという動機で受講するケースもないとは言えません。

 

学校やコースにもよると思いますが、私が携わるIT系だと、受講生の大半は20~30代に若い方々です。50代ぐらいの人もちらほら見かけたりはします。

 

私はこの学校で、就職支援(キャリア教育)の授業をしたり、受講生への個別指導(カウンセリング)をしたりしてます。前置きが長くなりましたが、日誌ではここで経験したことを中心にお話しようと思います。

 

受講生と話していて、真っ先に感じる事は働くことへの意識が、良くも悪くもはっきりしている、という点です。勿論、今の年齢の私から見れば、考えがふわっとしてたり、デイドリーマーだなぁ、と感じる事もよくあるのですが、自分が20代の頃に自分の生き方をこんなに考えてたかと問われると、段違いに「しっかりしてる」と感じます。

 

ある20代の女性は、デザインに興味があり、「Webデザイン」のコースに入られました。授業内容も楽しいと言います。しかし、職業探しのターゲットを尋ねると「事務。できれば、自社Webサイトの更新に携われるような事務を希望」と言われました。Web制作会社を希望する方が多いコースなので、「どうして事務?」ときいてみると、「好きな事を職業にしたくないから」と言います。Web制作会社に勤めると、時間的な制約で妥協せざるを得なかったり、無理な残業でもついつい引き受けてしまうんじゃないか、と感じており、そのような事で好きな事を嫌いになりたくない、という理由でした。

 

キャリコン視点でいうと、仕事理解や企業研究を深めることで、もしかしたら、それは思い込みで、自分がデザインを好きなままでいられる働き方が見つかるかもしれない、と考えるところです。まぁ、実際、そのような話はしました。

 

話し終えて、自分は仕事と人生との関わりをそのように考えてこれてたのかなぁ、と少し考えさせられました。「好きなことを仕事にできればいいよね!」と、今まで色んなシーンで言ったり、聞いたりしましたので、それが当たり前のように感じてた自分がいます。他にも、自分が当然のように捉えている価値観があるだろうと気付かされた日でした。やはり、立場の違いを越えて、他の人の考え方に触れるこの仕事は面白いと感じるのでありました。